公益財団法人 仁泉会 北福島医療センター

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NST勉強会 ~リンについて~

令和7年9月26日、NST委員会主催で院内勉強会を開催しました。ゼリア新薬工業株式会社様をお招きし、「リン」について講演していただきました。特に「低リン血症」について詳しく教えていただき、低リン血症は重症度や症状等に合わせて、適切な治療が必要であることを多職種で学ぶことができました。

リンの役割とは

リンは体内でカルシウムに次いで2番目に多いミネラルで、骨や歯の形成、細胞内のエネルギー産生など、生命予後に関わる重要なミネラルです。リンは乳製品や肉類などに多く含まれており、通常の食生活を送っていれば血中リン濃度が低下することはありません。

低リン血症の原因と症状

血中のリン濃度は、腸管からの吸収、腎臓からの排泄、細胞内や骨との平衡によって一定の範囲(成人の正常値:2.5~4.5㎎/dl)に調節されています。しかし、腎臓からのリンの排泄亢進やリンの摂取不足、消化管からの吸収低下、骨または細胞内へのリンの移行などの原因により、低リン血症を引き起こしてしまうことがあります。

重度の低リン血症(1.0㎎/dl未満)では、代謝性脳症による意識障害やけいれん、心不全、横紋筋融解症、呼吸筋障害による換気不全、平滑筋障害によるイレウスなどが起こる可能性があります。

低リン血症の治療

①血清リン濃度が2㎎/dl以上であれば経過観察、②1~2㎎/dlの場合はリン摂取を促し、効果が乏しい症例では経口リン製剤を投与する、③血清リン濃度が1㎎/dl未満や横紋筋融解症、心不全などの症状がみられる症例では、リン酸ナトリウム等を経静脈的に投与する等、重症度や症状に応じて適切な治療を行う必要があります。

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