NST勉強会 ~セレン欠乏症について~
2024.09.11
栄養科
令和6年8月29日、NST委員会主催で院内の職員向けに勉強会を開催しました。 今回は藤本製薬会社様をお招きし、「セレン欠乏症」について講演していただきました。勉強会には、38名の多職種のスタッフが参加しました。
セレン欠乏症とは、血液中のセレン濃度の低下が原因で症状があらわれた状態のことをいい、特に長期間静脈栄養を行っている方やセレンを十分に含んでいない経腸栄養剤を使用している方などで生じやすいと言われています。今回の勉強会では、セレン欠乏症の症状や診断基準、治療方法などもご教授いただき、定期的に血清セレン値をモニタリングすることの大切さを知ることができました。
セレンの役割とは
セレンは必須微量元素の1つで、生体内における抗酸化作用や甲状腺ホルモン代謝調節などの重要な役割を果たしています。セレンは体内で合成することがすることができないため、外部から摂取する必要があります。食物中では、魚介類や肉類、穀類に多く含まれており、通常の食生活を送っていれば血液中のセレン濃度が低下することはありません。
セレン欠乏症はどのような症状が出るのか
血液中のセレン濃度が低下したすべての方に症状があらわれるわけではありませんが、主な症状として、爪の白色化や変形、筋肉痛、筋力低下のほか、不整脈や頻脈を引き起こす心筋症などがあります。